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教育上の指導理念・指導概念


食物栄養学部
食物栄養学部「食医」「食の番人」

なぜ「食医」「食の番人」なのですか?

 まず「食医」ですが、これは中国の古代国家・周王朝の官制記録「周禮」の中にある言葉です。この言葉に出 会ったときはとても感じさせられました。さすがに「医食同源」の国だなと思いました。わが国でも、貝原益軒な どは「いにしへ もろこし(中国)に食醫(医)の官あり。食養によって百病を治すと云(いう)。」(貝原益軒、益軒全集全 八巻之三)と記しています。又、西洋医学の父・聖人ともいわれるヒポクラテスの医学書などでも相当の部分が食を扱っています。こういう書に触れながら、この言葉こそ現代の管理栄養士の理想とするところではないかと考えさせられました。食物栄養学部を志願する人は、その道を一生涯学び続けて「食医」と呼ばれるぐらいのところまで達してもらいたいと設置のときは期待して教育指導上の理想概念としたのです。「人間は彼が食べたところのものである」(ルードヴィヒ・フォイエルバッハ、全集第三巻、舟山信一訳)という言葉も当時強く心にありました。食を学ぶということはおそらく「人間」を学ぶということにつながっていくと思います。歴史的先人の言葉をかみしめて、強い探究心をもってこの分野を選択してください。
 次に「食の番人」ですが、この言葉にかけた期待はなんといっても食生活の番人になるのだという強い使命感と広い視野にたった実践力を修得してもらいたいというところです。エレガントな言葉ではありませんが、食の環境問題、安全性、流通過程、自給率など様々な問題をかかえている食生活現場の諸問題の最前線に立つという「勢い」は持っていると思います。かつて、わが国の農村には「水の番人・堰の番人」と呼ばれるような役割を担った人がいました。この人たちは雨や嵐の中、ずぶ濡れになりながらも現場の第一線に立って共同体のために水門や堰を守り続けていたのです。「法の番人」「憲法の番人」「金融の番人」などという言葉もありますが、ここで言う番人とは、腰を低くして(己を空しくして)食過程全体の番人として立つという土臭い実践的気概を意味しています。

①なお、「食医」という言葉は、中国の古代国家・周王朝の官制記録「周禮」に載っているものを参考にしています。
 『周禮 上・下』周哲點林道春跋 菜根出版 昭和51年 九州大学図書館所蔵及び本田二郎 『周禮通釋 上・下』秀英出版 昭和54年を参照
②『新訂 ヒポクラテス全集 全三巻』 編集・翻訳責任 大槻真一郎 エンタプライズ株式会社 1997年新訂版  山崎博愛訳『ヒポクラテース読本 その全集の抄訳と伝記』 ライフ社 1997年 等参照


リハビリテーション学部
リハビリテーション学部「リハの番人・健康生活の番人」

「リハの番人・健康生活の番人」とは?

 食物栄養学部の「食の番人」に続いて新設のリハビリテーション学部では「リハの番人」育成ということが当初の(専門学校からの)我々の目標でした。無論、ここでも番人とは食のそれと同じく、腰を低くして(己を空しくして)リハビリテーション世界の番人として患者の側に立つ実践的気概が要求されます。ところが、具体的に設置趣旨を起草する段階では、特に今日のリハビリ世界に要請されるのは食生活のみならず広く健康生活全般にわたる指導力を持った人材育成であるという視点が強く自覚されてきました。そのためには学部教育だけでなく、より高度な大学院から生涯教育の視点も踏まえて「健康生活の番人」という言葉が必要になってきました。「リハの番人」は「健康生活の番人」として再確認されなければならないのです。「リハの番人」は学部教育の出発目標で最終的な到達目標としては「健康生活の番人」というように考えることもできます。要するにそれは当初考えていた「リハの番人」を包括したより高度な概念ということで教育指導上の使い分けはされますが、基本的には同義概念であります。「リハの番人」は「健康生活の番人」でなければならないのです。
 以上のような意味では食物栄養学部の「食の番人」も最終段階の到達目標としては、「食とリハ」から健康生活全般への広い視野と指導力を持った「健康生活の番人」になってもらえればと思っています。この概念は人材育成の高度な理想概念なのです。そういう到達目標という意味をもって、期待をこめて、我々が養成する管理栄養士、理学療法士、作業療法士を総称し少子高齢化社会の健康生活の番人と言うこともあります。